LIMSとは
LIMSとは
LIMSの導入により、業務進捗管理や、ログ・証跡管理(いつ・誰が・何をした)、試験結果の自動取り込み(転記・手入力の自動化)が可能となり、試験業務の生産性と信頼性の向上を実現します。

主な課題
試験・分析・検査業務の現場では、製品やサービスの品質を保証し、企業の信頼を支えるという重要な役割を担っています。
その根幹となるのが、正確かつ効率的な業務と情報の管理です。しかし、依然として多くの現場では、紙やExcelを中心とした手作業による管理が主流であり、以下のような深刻な課題が業務の足かせとなっています。
このような課題は、LIMS(試験情報管理システム)で解決できます
導入による効果とメリット
試験・分析・検査業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められる中、LIMSは単なる情報管理ツールに留まりません。
業務プロセスそのものを根本から見直し、生産性、データの信頼性、そしてコスト効率を飛躍的に向上させるための戦略的なソリューションとして、その導入効果が改めて注目されています。LIMSがもたらす具体的なメリットは多岐にわたります。
手作業が多く進捗も見えない。非効率な業務が常態化している。
業務効率の飛躍的向上
転記ミスや入力漏れが多発。データの信頼性が確保できていない。
データ信頼性の確立
作業の証跡が管理できず、監査対応に多大な時間がかかり過ぎる。
ペーパーレス化でコスト削減
業務が属人化し、担当者不在で作業が停滞。品質も安定しない。
試験業務の標準化推進
紙の帳票の管理・保管コスト、再試験による無駄な費用が発生。
データ活用による品質向上
データが散在・サイロ化し、品質改善のための有効活用ができない。
監査証跡の完全な記録
LIMSの主な機能一覧
項目 | 説明 |
---|---|
サンプル管理 | サンプルの受領、登録、保管場所、ステータス(試験中、完了など)を追跡・管理します。バーコードやRFIDと連携することもあります。 |
ワークフロー管理 | 試験項目、手順、担当者、進捗状況を管理し、ワークフローに従って試験が実施されるように制御します。 |
結果入力・承認 | 分析機器からのデータ自動取り込みや手動入力をサポートし、入力された結果のレビュー、承認プロセスを電子的に管理します。 |
規格・仕様管理 | 製品や試験項目ごとの規格値や許容範囲を設定・管理し、試験結果が規格内か否かを自動的に判定します。 |
報告書作成 | 試験結果や品質管理データを基に、定型的な報告書(試験成績書、品質レポートなど)を自動生成または半自動生成します。 |
試薬・標準品管理 | 試薬や標準品の在庫量、有効期限、ロット番号、使用履歴などを管理し、適切な在庫管理と品質維持を支援します。 |
機器管理 | 分析機器の校正記録、メンテナンス履歴、使用状況などを管理し、機器の信頼性維持と稼働率向上をサポートします。 |
品質管理 | QCサンプルの管理、管理図の作成、傾向分析などを行い、試験プロセスの精度や正確性を監視・管理します。逸脱管理(OOS/OOT)も含まれます。 |
監査証跡 | システム内で行われた全ての操作(データの作成、変更、削除など)を日時、操作者とともに自動的に記録し、データの完全性とトレーサビリティを確保します。 |
ユーザー・権限管理 | システムを利用するユーザーアカウントと、その役割に応じたアクセス権限(閲覧、編集、承認など)を設定・管理し、セキュリティを維持します。 |
LIMS 導入前後の比較
項目 | 導入前 | 導入後 |
---|---|---|
進捗管理 | 試験状況の把握が困難、紙ベースでの指示・承認、内部統制が難しい、進捗の属人化 | 試験進捗のリアルタイム可視化、電子的な指示・承認、標準化されたワークフローによる統制強化、納期管理・リソース管理の効率化 |
サンプル管理 | サンプルの所在不明、手作業でのラベル貼り・追跡、取り違えリスク、保管状況の把握困難 | バーコード/RFIDによる正確なサンプル追跡、保管場所・ステータスの即時確認、取り違え防止、ライフサイクル管理 |
試験結果入力・管理 | 手書きやExcelへの手入力、転記ミス、データ散在、規格チェックの手作業 | 分析機器からの自動取り込みや直接入力、データの一元管理、規格逸脱の自動警告、計算の自動化、ヒューマンエラー削減 |
報告書作成 | 手作業でのデータ集計・転記、フォーマットの不統一、作成に長時間、承認プロセスの煩雑化 | 定型レポートの自動生成、フォーマット統一、作成時間の大幅短縮、電子承認による迅速化、データ再入力の排除 |
データ検索・分析 | 必要なデータの検索に時間がかかる、過去データの活用困難、傾向分析が難しい | 高度な検索機能による迅速なデータアクセス、過去データの容易な参照・比較、傾向分析や統計処理のサポート |
逸脱管理・傾向管理 | 規格外発生時の対応が遅れがち、原因究明に時間がかかる、是正・予防措置(CAPA)管理の煩雑化 | 規格逸脱の即時検知とアラート、逸脱処理プロセスの標準化・電子化、CAPA管理の効率化、品質傾向の監視 |
機器管理・校正管理 | 機器の使用履歴や校正記録が紙管理、校正漏れのリスク、メンテナンス計画の属人化 | 機器の使用状況・校正・メンテナンス履歴の一元管理、校正時期の自動通知、計画的なメンテナンスの実施、稼働率向上 |
試薬・標準品管理 | 在庫量の把握が不正確、有効期限切れのリスク、発注タイミングの判断が難しい、ロット管理の煩雑さ | 在庫量のリアルタイム管理、有効期限の自動警告、使用量に基づいた適切な発注計画、ロット追跡の容易化 |
監査証跡・コンプライアンス | 操作記録の不備、データ改ざんリスク、監査対応時の資料準備に膨大な時間、規制要件への手作業対応 | 全ての操作・変更履歴の自動記録(監査証跡)、電子署名による信頼性確保、規制要件への対応支援、監査対応の効率化 |
内部統制・セキュリティ | データへのアクセス制御が不十分、役割に応じた権限設定が困難、情報漏洩リスク | ユーザー毎の厳密なアクセス権限設定、役割ベースのセキュリティ管理、データの機密性・完全性の確保、内部統制の強化 |
活用シーン
LIMSは多様な業界で活用されています。
製薬業界
化学業界
食品業界
環境・水質分析機関
製造業(品質保証・品質管理・研究開発)
迅速な製品製造・出荷、および製品開発が求められる一方、品質・信頼性の向上も必要とされます。
LIMSの導入により、歩留まり・生産性の改善、研究開発のスピードアップ、試験の省力化・自動化によるヒューマンエラーの軽減、またデータ改ざんの防止、およびデータ一元管理などが実現できます。

受託試験機関・企業
業務効率の向上、コスト・人員削減の対応、働き方改革、規制対応など市場ニーズが高まっています。
LIMSの導入により、営業システムとの連携による円滑な業務運用、迅速な試験スタート、依頼状況の事前把握による要員・負荷管理、および納期遅延防止などが実現できます。

よくある質問
導入について
機能について
システム環境について
西川計測のLIMSソリューション「WeLS」
WeLSは、一般的なLIMSの枠を超え、以下の特長を備えています。
- 試験・分析だけでなく、手順管理や進捗監視などの実行支援にも対応
- 装置・検体・作業者・工程を一括で可視化
- 他システム・装置との柔軟な連携機能
- スモールスタートからの段階導入、拡張も可能

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