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LIMSのカスタマイズ依頼で失敗しないポイント|費用膨張を防ぎ自社業務にフィットさせる選定・発注の極意

カスタマイズの失敗を防ぐ鍵は、

  • システム側の柔軟性の高さ(設定変更でどこまで対応できるか)
  • カスタマイズができるベンダーを選ぶ
  • 現場の業務を深く理解しているベンダーを選ぶ

の3点です。

LIMSのカスタマイズに関して、
「パッケージLIMSを導入したが、自社フローに合わずカスタマイズ費用が跳ね上がった」
「既存LIMSのちょっとした改修依頼なのに見積もりが高すぎる」
という悩みが少なくありません。

LIMSの導入を検討する際、自社の試験・検査業務に合わせるため「どこまでカスタマイズを依頼すべきか」は重要な判断ポイントです。

人手不足や業務効率化への対応が求められるなか、LIMSをはじめとするデジタルシステムの活用は有効な選択肢となりますが、現行業務をそのままシステム化しようとすると、追加開発が膨らみ、想定以上の費用や運用負担につながる恐れがあります。

この記事では、LIMSのカスタマイズを依頼する前に整理しておきたい要件や、標準機能と追加開発の切り分け方、費用膨張を防ぐ発注・ベンダー選定のポイントをご紹介いたします。

失敗しないためのLIMS導入ガイドブック

なぜLIMSのカスタマイズ依頼は高額化・長期化するのか?

LIMS(Laboratory Information Management System/ラボ情報管理システム)は、試験・検査業務に関わる試料、試験項目、結果、進捗、承認、帳票などの情報を一元的に管理するためのシステムです。

一般的なLIMSには、サンプル管理、ワークフロー管理、結果入力・承認、規格・仕様管理、報告書作成、試薬・標準品管理、機器管理、品質管理、監査証跡など、試験業務を支援する幅広い機能があります。

一方、研究所や試験検査機関によって、依頼受付から試料受入、測定、判定、承認、報告までの業務フローは異なります。管理項目や帳票様式、使用している試験機器、既存システムとの連携方法にも違いがあります。

そのため、「自社の業務を100%そのままLIMS上に再現する」ことを目指すと、個別開発(カスタマイズ)が増えやすくなります。

LIMSカスタマイズでよくある3つの落とし穴

LIMSカスタマイズでよくある3つの落とし穴が、「アドオン開発の多用」「要件定義のズレ」「バージョンアップ不能(ブラックボックス化)」です。

アドオン開発の多用

1つ目は、個別開発を前提に要件を組み立ててしまうことです。
たとえば、「現在使用しているExcel帳票とまったく同じ画面にしたい」「既存の承認手順をそのまま再現したい」「部署ごとに異なる入力画面を用意したい」といった要求をすべて個別プログラムで実装すれば、開発範囲は大きくなります。

初期開発だけを考えれば実現できるとしても、開発工数が増えれば、その分だけ費用や導入期間が増える可能性があります。
さらに、将来的な改修時にも個別仕様を考慮する必要が生じます。
アドオン開発を多用した結果、当初の見積もりの1.5~3倍に膨らむケースが少なくありません。

なお、主なアドオン開発1件あたりの相場は、次の通りです。

  • 軽微な画面変更・専用帳票作成(1件)… 数十万円~100万円程度
  • 特殊な試験機器との個別データ連携(1台・1種)… 100~300万円程度
  • 自社独自の複雑な承認ワークフロー・計算ロジック追加(1機能)… 300~800万円以上

そこでLIMS選定時には、
「これは標準機能で対応できますか?」
「プログラム開発ではなく設定変更で対応できますか?」
「業務フロー側を見直せば標準機能を利用できますか?」
とベンダーに確認することが重要です。
「できる・できない」だけで判断するのではなく、「どの方法で実現するのか」まで確認しておきましょう。

要件定義のズレ

2つ目は、要件定義段階で試験現場とベンダーの認識にズレが生じることです。

試験サービス部門では、単純なデータ入力だけを行っているわけではありません。
依頼受付、試料受入、試験担当者への割り当て、測定、結果確認、再試験、承認、成績書発行など、複数の工程があります。
試験によっては、分析装置から出力されたデータを確認し、計算や判定を行い、その根拠資料とともに記録する必要もあります。

こうした現場特有の流れをベンダーが十分に理解していないままシステム仕様を決めると、「仕様書上では要求を満たしているが、実際には使いにくい」という問題が起こりかねません。

その結果、導入途中や稼働後に、
「この画面にも項目が必要だった」
「この工程では承認者が異なる」
「この試験だけ処理フローが違う」
「この分析装置から結果を取り込みたい」
といった追加要求が発生し、再設計や追加開発につながってしまいます。

バージョンアップ不能

3つ目は、個別開発した部分が増え、システム全体が複雑化してしまうことです。

導入当初は便利でも、個別開発が積み重なるほど、「なぜこの処理になっているのか」「どの機能と連動しているのか」がわかりにくくなる可能性があります。

特定の担当者や開発会社しか仕様を把握していない状態になればブラックボックス化し、将来の改修やシステム更新にも影響します。

「フルスクラッチ開発」と「パッケージカスタマイズ」の比較

自社独自の試験業務にLIMSを対応させる方法としては、大きく「フルスクラッチ開発」と「パッケージLIMSをベースにした導入」が考えられます。

フルスクラッチ開発は、自社要件に合わせてゼロからシステムを設計できることが特徴です。
独自性の高い業務にも対応しやすい反面、要件定義、設計、開発、テストなどの範囲が大きくなりやすく、保守も含めて長期的な計画が必要になります。

一方、パッケージLIMSでは、試験管理や進捗管理、承認、帳票、証跡など、あらかじめ備えられた機能を利用できます。
ただ、本来は価格を抑えやすいパッケージでも、標準機能が自社業務に合わず、大量の個別開発が必要になれば、結果的に費用や期間が膨らむ可能性があります。

したがって重要なのは、「パッケージかスクラッチか」という二択ではなく、自社の業務要件に対して標準機能と設定機能でどこまで適合できるかを見極めることです。

失敗しない!LIMSカスタマイズ依頼・要件定義の進め方

LIMSのカスタマイズ費用を抑えるためには、ベンダーから見積もりを取る前の要件定義が重要です。

依頼前に整理すべき「業務の標準化」と「どうしても必要な独自フロー」

まずは、現在の試験業務を棚卸ししましょう。

たとえば、

依頼受付
↓
試料受入
↓
試験計画・担当者割り当て
↓
試験・測定
↓
結果入力
↓
計算・判定
↓
確認・承認
↓
報告書・成績書発行

というかたちで、業務の流れを書き出します。

その上で、それぞれについて「なぜ現在の手順になっているのか」を確認していきます。

法令や規格、品質管理上の理由で変更できない業務もあれば、「以前からそうしているから」という理由だけで残っている業務もあるでしょう。
後者までLIMS上に忠実に再現してしまうと、本来不要だったカスタマイズが増える可能性があります。

要求事項は、少なくとも次の3段階に分けると整理しやすくなります。

  • 「Must」…業務上、絶対に必要
  • 「Want」…可能であれば実現したい
  • 「Future」…将来的に検討したい

さらにMustについては、「なぜ必須なのか」まで記載しておくことが重要です。
ベンダーが目的を理解できれば、依頼者が想定していた個別開発とは異なる方法で解決策を提案できる可能性があるためです。

たとえば「このExcel帳票とまったく同じ画面を作ってほしい」という要求より、「承認者が測定値・判定結果・根拠資料を1画面で確認できるようにしたい」と目的を伝えた方が、標準機能や設定機能を利用した代替案を検討しやすくなります。

ベンダー選定で絶対に確認すべき「拡張性」と「サポート体制」

LIMSは、一度導入したら終わりではなく、試験項目の追加、帳票の変更、新しい分析装置の導入、組織変更、承認フロー変更など、試験現場の変化に応じてシステム側にも変更が求められることがあります。

そのため、ベンダー選定では現在の要件だけではなく、将来的な変更への対応力も確認しましょう。

具体的には、

  • 画面項目を設定で変更できるか
  • ワークフローを変更できるか
  • マスタを自社で管理できるか
  • 帳票様式を変更できるか
  • 分析機器を追加接続できるか
  • ERPやMESなどの外部システムと連携できるか
  • 軽微な変更のたびにベンダーへの開発依頼が必要か
  • 問い合わせや改修相談に対応できる体制があるか

といった点です。

特に「カスタマイズ可能」という説明だけで判断しないことがポイントです。
「プログラムを開発すれば変更可能」なのか、「パラメータやマスタなどの設定で変更可能」なのかでは、導入後の運用負担が異なるためです。

こちらの資料も、ぜひご利用ください。
LIMS導入を成功させる要求事項項目集【簡易版】

柔軟なカスタマイズとコスト抑制を両立するLIMSの条件

自社業務に合うLIMSを選びながら、過度な個別開発を避けるためには、「柔軟性」をどのように実現しているシステムなのかを見極める必要があります。

パラメータ設定で画面・項目・ワークフローを変更できること

重要なのが、プログラム開発を行わなくても、設定によって業務に合わせられる範囲です。

試験・検査現場では、部門によって管理項目や試験工程が異なる場合があります。
また、業務改善によって運用ルールが変わることもあります。
こうした変更のたびに個別プログラムの開発が必要になれば、費用だけでなく変更までの時間もかかります。

LIMSを比較する際はデモなどを通じて、
「この項目を追加する時は、どうしたら良いですか?」
「この承認工程を変更する場合は、どうなりますか?」
「帳票を変更したい場合は、どうしたら良いですか?」
と具体的に質問すると良いでしょう。

カスタマイズができること

設定変更の柔軟性が高いことに加え、本当に必要な部分についてはカスタマイズできることも重要です。

たとえば、特殊な計算処理が必要であったり、独自の判定ロジックを使用していたり、標準的なLIMSでは想定されていないシステムとの連携が必要になったりするケースが考えられます。
こうした要件まで無理に標準機能へ合わせると、システム導入後に現場側の作業が増えてしまう可能性があります。

そのため理想的なのは、

  • 一般的な変更は設定で対応する
  • 独自性が高く、業務上どうしても必要な部分だけカスタマイズする

という使い分けができるLIMSです。

LIMSのカスタマイズを依頼する際には、ベンダーに要件一覧を提示し、「標準機能」「設定変更」「個別カスタマイズ」のどれで対応するのかを明確にしてもらうと判断しやすくなります。

多彩な試験機器・既存システム(ERP/MES)との接続実績が豊富なこと

試験サービス部門には、電子天秤やICP、GC/MSなどの分析・試験機器をはじめ、ERP、MES、CDS、ELNなど、さまざまな機器やシステムが存在します。

測定結果を分析機器からLIMSへ自動で取り込めれば、人による転記作業を減らし、入力ミスの抑制にもつながります。
また、LIMSに蓄積した情報を他システムへ連携することで、試験部門だけに情報を閉じず、組織全体の業務プロセスと接続しやすくなります。

導入後も自社で軽微な設定変更ができる運用性

LIMS導入後の運用コストを考えると、自社で設定変更できる範囲を確認しておくことも重要です。

たとえば、試験項目やマスタ、帳票様式などの軽微な変更まで、毎回ベンダーへの改修依頼が必要なシステムでは、変更頻度が高い組織ほど運用負担が大きくなる可能性があります。
一方、ユーザー側で変更可能な設定領域が用意されていれば、業務変更に対応しやすくなります。

ただ、重要な設定を誰でも変更できる状態では、管理上の問題が生じるため、「変更できる柔軟性」と「権限・証跡による統制」の双方を見ることが大切です。

独自の業務フローにも柔軟フィット|西川計測の『WeLS』と構築サポート

LIMSのカスタマイズ費用を考える上では、「個別開発できる製品」を探すだけでなく、「個別開発を増やさず業務に合わせやすい製品」という観点も重要です。

西川計測が提供する「WeLS(ウェルス)」は、製造業の品質管理・品質保証部門、研究開発部門、試験検査機関などへのヒアリングをもとに、業務実態に合わせて設計・開発された試験業務・情報統合システム(LIMS)です。

サービスカタログ

高い柔軟性を誇るWebベースLIMS『WeLS』の特長

WeLSはWebブラウザ上で動作するLIMSなので、PCごとに専用ソフトをインストールする必要がありません。

クラウドとオンプレミスから検討でき、試験業務の状況や社内IT環境に応じたシステム構成を選択できます。

また、一般的な試験情報管理だけでなく、試験・分析の手順管理や進捗監視などの実行支援、装置・検体・作業者・工程の可視化、他システム・装置との連携にも対応しています。

標準機能+柔軟な設定変更

WeLSの大きな特徴の一つが、業務に合わせて変更できる柔軟な設定機能です。
ワークフローやデータ項目をお客様の環境に合わせて導入できることに加え、マスタ、帳票様式、試験機器接続などについて設定による変更が可能です。

これにより、過度なカスタマイズを抑えて、導入コストと期間を最適化できます。

直感的なUI・帳票レイアウト設計

LIMSは、試験担当者や承認者などが日常的に使用するシステムです。
そのため、必要な情報を確認・入力しやすい画面であることに加え、自社固有の管理項目や帳票・レポートに柔軟に対応できることも重要です。

研究所や試験サービス部門では、試験の種類や顧客、業務フローによって管理すべき情報が異なります。
また、試験成績書や報告書など、自社独自の帳票フォーマットを使用しているケースもあります。
こうした違いに対応するたびに個別開発が必要になると、カスタマイズ費用の増加につながりかねません。

WeLSは、利用企業の業務に合わせてワークフローやデータ項目を設定できるほか、マスタや帳票様式についても利用者側で設定変更できる仕組みを備えています。
そのため、自社固有の試験項目や管理項目をLIMS上で扱いたい場合や、業務に合わせた帳票・レポートを作成したい場合にも対応しやすい点が特徴です。

さらにWeLSでは、試験結果処理の機能として帳票出力・デザイン機能が用意されています。
試験結果をLIMSで一元管理するだけでなく、蓄積した情報を自社の業務に適した帳票として出力するところまで考慮しています。

計測・制御のプロ「西川計測」だからできる受託・構築支援

LIMSのカスタマイズを成功させる上では、製品の機能だけでなく、導入を支援するベンダーの知識や対応範囲も重要です。

「試験現場」がわかるエンジニアが在籍

LIMSの導入やカスタマイズを成功させるには、システムの機能やIT技術だけでなく、実際の試験・検査業務を理解した上で要件を整理することが重要です。

研究所や試験サービス部門では、試料の受付から試験・測定、結果確認、判定、承認、報告まで、さまざまな工程があります。
さらに、現場では多種多様な計測・分析機器が使用されており、それぞれの機器から出力されるデータをどのように取得・管理するかまで考慮しなければなりません。

西川計測には、こうした「試験現場」を理解したエンジニアが在籍しています。
単なるITベンダーとしてシステムを構築するのではなく、計測機器やラボにおける実際の業務を踏まえ、試験機器、ネットワーク、システム環境まで含めた視点からLIMS導入を支援できることが強みです。

そのため、「現在の業務をそのままシステム化する」という発想だけではなく、現場でどのように試験が行われ、どこで人による入力・転記・確認作業が発生しているのかを把握しながら、要件定義の段階からご相談いただけます。

機器自動連携の個別対応

試験・分析現場では、メーカーや年代、通信方式の異なるさまざまな機器が稼働しています。
新しいデジタル機器だけでなく、アナログ出力の機器が残っていることもあります。

WeLSでは、多様なメーカー・タイプの試験機器から出力される試験結果の自動取り込みに対応しており、タブレットOCR取り込みやシリアル無線通信などを利用した取り込み方法も可能です。

さらに、試験機器だけでなくネットワークやシステム環境を含めた相談が可能です。

まとめ

LIMSのカスタマイズ依頼で失敗を防ぐには、「どこまでカスタマイズできるか」だけで製品やベンダーを選ばないことが重要です。

現行業務をすべて個別開発で再現しようとすれば、開発範囲が広がり、費用や導入期間、将来の維持管理負担が増える可能性があります。

まず現在の試験業務を棚卸しし、「絶対に変えられない業務」と「LIMS導入を機に標準化できる業務」を切り分けましょう。
その上で要求事項をMust・Want・Futureなどに整理し、標準機能、設定変更、個別対応のどれで実現するのかをベンダーと確認することがポイントです。

LIMS選定では、システムそのものの柔軟性に加え、試験現場を理解したベンダーであるか、分析機器や既存システムまで含めて相談できるかも重要な判断材料になります。

西川計測の試験業務・情報統合システム「WeLS」は、ワークフローやデータ項目を業務に合わせて導入でき、マスタ、帳票様式、試験機器接続などについて設定変更できる仕組みを備えています。
また、ERP・MES、CDS・ELNなどのシステム連携や、多様な試験機器からのデータ取り込みにも対応しています。

「LIMSを導入したいが、どこまで標準機能で対応できるのかわからない」「カスタマイズ費用を抑えながら自社の試験フローに合わせたい」「分析機器との連携まで含めて相談したい」という場合は、製品選定の初期段階から業務フローと要求事項を整理し、WeLSを含めたLIMSの適合性を確認してみてはいかがでしょうか。

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